僕の学生時代の先生であり、師匠であり、ロールモデルであり、世界で一番尊敬していた最高のギタリスト、グレアムコクソン。
その彼が在籍していたブラー時代には天性のポップスターであるボーカルとスノッブで気取ったベースの横で、ひたすら寡黙に、ポップなメロディーに毒のあるギターのフレーズを挟み込んでみたり、ノイズ小僧と化したり、最高に華麗なハイジャンプを決めてみたり、素っ頓狂だけれども確実にはまってるコーラスを入れてみたりと本当に多才な人で、常に精神不安定でモジモジしている姿には愛を感じる程で???
そんな彼でもソロアルバムとなると俄然魅力が半減してしまうのも確かでした。死ぬ程ローファイな音とブラーを完全に拒否するかのようなメロディー。ただ4枚目からは深くて美しいメロディーが顔を出してきて(このアルバムが一番好きかも)、5、6枚目はご存じの通りひたすらポップに撤し、プロデュースもスティーブンストリートに任せ、英国では完全に独り立ちしたイメージがあります。
READING2004でも見たんですが、正直初日のド緊張のせいで立ってるのもつらい状態で見てたので、あの頃を思い出させるジャケットを着た師匠に興奮しつつも死んでました。
そして日本ではFRF04以来の来日、初の単独公演。
客入りはまあまあ7~8割くらい、年齢層が高いため、ダイブやモッシュなんて起こるはずもなく。
「静かやなぁ~」って言われながらも徐々に熱を帯びていって最終的には結構もりあがっていたんじゃないでしょうか?グレアム自体の挙動不審なところもありますが、メンバー同士の親密さが表れてる会話やかけあいがリラックスさせてくれるっちゅうか、ユルユルすぎるくらいなのがまたよかったんじゃないかと。とは言っても、演奏はかなりシャープでさすが師匠って感じ。
生で、しかもあの演奏で聞くと一曲一曲が実は結構よく捻って作られてるんやなぁと。師匠の才能再発見!まあ大事なところでギターとちったり、チューニングもしないで弾こうとするのを指摘されたりと笑わせてくれるとこも師匠らしくって。そして最後の最後、WHO THE FUCKでは伝説のハイジャンプ!!!夢にまで見たのたうちまわってのギターノイズ!結局約1時間50分もの長丁場で最高に楽しませてもらいました。